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2010.05.31 *Mon

遠い夏の英雄(スーザン・ブロックマン)

遠い夏の英雄 (ヴィレッジブックス F フ 5-1)遠い夏の英雄 (ヴィレッジブックス F フ 5-1)
(2003/11)
スーザン・ブロックマン

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 故郷に帰ってきた、ひとりの兵士。
 彼が再会したのは、かつて愛した一人の女。
 そして、死んだはずの敵の影――

 海軍特殊部隊SEALの第16チームのメンバーたちを描く「トラブルシューター・シリーズ」第一弾。

    *********

 感想だったはずの記事が、結果的に日記になっちゃったんで別記事に。

 以下、ネタバレあり。

 
 ロマンスよりもサスペンス。サスペンスよりもヒューマンドラマ。
 そんな印象です。


 私事ですが、ここ数日間、本さえ読めないちょっぴり辛い日々がありまして。
 それから、最初に読んだのがこの本だったんですね。
 読書の神様は、良い選択をして下さったなー、と思いました。
 とても救われた気がしました。
 世の中の人は皆が敵なわけじゃない。
 ちゃんと愛せる人、味方になってくれる人、わかってくれる人がいるはずなんだと。

 具体的に言うとデイヴィッドですよ。
 すげーいい男ですよあの人。
 OCを見てたんで、イメージもしやすかったです。
 デイヴィッドは、男というより人として尊敬する。
 ああいう人間になれたらいいと思う。


 正直なところ、トムとケリーのカップルがあんまり印象に残ってない……。
 主役なのに。

 デイヴィットとマロリーの恋模様が気になって気になって。
 お互いに、相手の真価を見抜いて惚れていく過程はたまらなかった。
 気持ちの誤魔化しとか、無かったでしょ。あの二人。
 だから、見てて気持ちよかったんだよね。

 愛だのなんだのといろいろ言って、やたら自傷しているあちらさんたちと違う……。
 いや、私の精神状態によるところが大きいとは思うんだけどね。

 トムは、仕事のせいで負った頭部の傷で、それまで築いてきたキャリアを失うかどうかの瀬戸際。
 自分の判断で、危機に立ち向かいもしくは回避してきた男が、今は自分の判断を信じることができない。
 見たと思ったものが、妄想かもしれない。
 その恐怖と絶望感。
 自分が狂気に侵されている判断がつかないまま、それでも、自分の正義感は覆せない。
 それがまったくの妄想で破滅の道だったとしても、目を瞑ることはできない。
 その辺の葛藤はよかったと思います。



 あと、何より印象深かったのは過去の方々。

 恋は理屈じゃない。
 それが辛かった。
 選んで好きになれればよかったのに。
 もしくは、好きにならない選択ができたら。

 想いの矢印が絡まってしまって、どうしようもないのが悲しかった。
 穏やかに育てるはずのものが、刹那的になってしまうのが辛かった。
 皆、生き急いでいたんだよな、と思う。
 明日があるか、わからないから。

 辛い恋だった。刹那の愛だった。
 でも、不幸かと聞かれれば、そうではないと思う。
 それを本当に理解できるのが、死の直前だったとしても。


 思えば、死ぬために生きていたんだと思います。
 シベールも、チャールズも。
 ジョーはちょっと違うのかな。
 恋に殉じて生きてきたひと……かな?
 ううん、違うな。
 時間を越えて、愛を成就させた姿を見届けたひと……かな?
 シベールがあの世で出会う愛した人って、夫と子供な気がするんですが。
 なぜか私は、チャールズの死によって、彼らの愛が成就したんだと思ってしまうんだな。

 ジョーも、連れてって欲しかったよね。
 でも、残されてしまったね。

 ジョーは、本当はあの日、フランスで死んだのかもしれません。
 今のジョーは、英雄の墓標なのかもしれない。
 シベールや、チャールズや、あの時戦った彼らの仲間や。連れ去られたユダヤ人の子供たち、全ての。


 なんか、そう思うと、この作品のタイトルが何重もの意味を持っている気がします。
 うん、いいタイトルだし、いい作品だ。



 おまけ。
「ちょっと右へ寄って」のアリッサに超萌えを感じました。
 が、彼女のメインのストーリーにたどり着くまで、だいぶ道のりが辛そうな……。
 ふ、不安だ。

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